みなさん、こんにちは。
理学療法士の土屋元明です。
「最近、歩くのが疲れやすくなった」
「家族に歩き方を指摘されているけれど、どうしたら良いかわからない」
このようなお悩みに対して、年のせいだから仕方ないと諦めていませんか。
もしかしたら、「筋力がうまく発揮できない状態で歩いている」ことが不調の裏に隠れているかもしれません。
先日、ますだ治療院の益田尚先生と毎月開催している実技勉強会を行いました。
6月のテーマは、先月に引き続き歩行についてです。
今回も、歩き方を少し整えるだけで体の筋力がどう変化するのかを検証しました。
体幹が安定しない場合は内腹斜筋の働きをチェック
歩く時、足が地面についた瞬間に体幹が安定せず、わずかに横へ崩れる(揺れる)ことがあります。
専門用語で脊柱の側屈・回旋と呼ばれ、この揺れを抑えるにはお腹の筋肉の働きが必要です。
特に内腹斜筋の活動が高まることで、体幹の安定を得ることが報告されています。
体幹をコルセットのように安定させる腹筋群の中でも、内腹斜筋は足が地面について体重が乗った時に特に働く筋肉です。

勉強会では、座った状態で体幹を水平に移動させ、安定性をみるテスト(並進バランステスト)を行い、その機能を簡易的にセラピスト同士でチェックしました。
このテストで、体がグラグラと不安定になってしまう先生がいました。
健常者であっても、お腹の筋肉がうまく働かず、力が発揮できていないということは珍しくありません。

そこで、内腹斜筋の働きをサポートするために、足がついた瞬間に体重が乗る踵の少し前方にパッドを貼り、何歩か歩き続けてもらいました。
その後、もう一度同じテストを行うと、先ほどは耐えられなかった横からの力に対して、しっかりと踏ん張れるようになりました。
もちろん十分とまでは言えませんが、本人もテストをしたセラピストも、先ほどとは明らかに違うという意見で一致しました。

これは私が評価したわけではなく、別グループの他のセラピストが評価しても同じ結果が出ました。
足元への介入で体幹の筋力が高まることが確認できたのです。
足からのアプローチで体幹が変わるというのは、本当に面白い体の仕組みですね。
蹴り出しを整えれば腸腰筋の力も高まる
さらに、動作やパフォーマンスで非常に注目される「腸腰筋」という筋肉の機能も変えられるかトライしてみました。
腸腰筋は、足を後ろに残して前へ蹴り出す時期に最も引き伸ばされ、働きます。
腸腰筋は、座った状態で股関節を曲げた姿勢をキープしてもらい、セラピストが抵抗を加えてもその姿勢が維持できるかをチェックして評価します。
この筋力が不足している先生に対して、蹴り出す時期に体重が乗る母指球の辺りに適切にパッドを処方し、何度か歩いてもらいました。
すると、歩行後に再度筋力をチェックした際、腸腰筋の機能が高まり、抵抗に対して耐えられるようになりました。


参加した先生方もこの効果をその場で実感し、とても興味深い実技内容となりました。
今回も共に有意義な時間を作ってくださった益田先生、本当にありがとうございます。
今日からできる足元と歩き方のチェック
最後に、ご自身の歩き方のロスに気づくための簡単なステップをご紹介します。
ステップ1:靴の底の減り方を確認する
靴の踵の外側が減ること自体は正常ですが、明らかに左右で違う減り方をしている場合、体の使い方に左右差があり、負担が生じやすい可能性が隠れています。
ステップ2:靴の中敷きを外してすり減りを確認する
靴の中敷きが外れる場合は、一度外してみてください。
摩擦が生じているところは特にすり減っていたり、厚さが薄くなっていたりするはずです。
左右差があったり、タコができている部分の中敷きが凹んでいたりする場合は、そこに負担が集中している証拠です。スムーズに体重移動ができておらず、体のどこかに負担がかかっている可能性があります。
ステップ3:親指に体重がスムーズに乗るか感じながら歩く
歩いている時に、左右の足の親指へスムーズに体重が移動してこない側がないか、感じながら歩いてみてください。
親指の先端まで体重が乗りづらい側がある場合や、明らかな左右差がある場合は、体の使い方を見直すチャンスです。
同時に、親指の先端へスムーズに体重が移動できるよう、軽く腕を振って推進力を作って歩くのも効果的です。腸腰筋が上手く働いてくれるかもしれません。
機能を高め、歩行で維持する
体がふらつく、不安定、力がうまく入らないという症状は、問題となっている場所のケアや治療をして改善を図ると良いです。
そして、その効果を持続させるために、足元をサポートするとより効果的な場合があります。
体の使い方のロスを減らせば、眠っていた筋力はしっかりと発揮されるようになります。足って本当に面白いですね。
まずはご自身の足元や歩き方に、少しだけ目を向けてみてくださいね。
ご自身の「歩き方のロス」を見つけ出してみませんか?
当院「動きのこだわりテーション」では、緻密な歩行分析に基づき、患者様お一人おひとりの体の使い方を見極め、構造から根本的に整える治療を行っています。
どこに行っても改善しない痛みや、歩く時のふらつき、不調でお悩みの方は、決して諦めず、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

