私が総合病院で働いていたとき、関連施設の人工関節センターで2年ほど仕事をしていました。
そこで、変形性股関節症変形性膝関節症と診断された方のリハビリを、数多く担当してきました。

 

人工関節センターに来る方の多くは、股関節や膝関節に強い痛みを訴えます。そしてレントゲンでは、関節の変形が進行しているのが確認できます。

 

当時の私は、レントゲンを見て「これだけ変形しているから、そりゃ痛いよな…」と考えていました。

 

形正しからずもの、機能正しからず」という整形外科が誕生したときの概念どおり、「形が変形しているから、本来の機能が発揮できずに痛い」のだと、何の疑問も持たずに働いていたのです。

 

でも、そこで矛盾が生じる体験をしました。

 

それは、「変形が進行しているから、手術しかない」と言われ、手術を数か月後に予定していた方のリハビリを担当した時です。

 

手術までに可能な範囲で、ストレッチやエクササイズを自宅で行ってもらい、経過をみていました。

 

すると、形は変形しているのに機能が驚くほど改善する方や、痛みが驚くほど改善する方がいらっしゃったのです。

 

そうした方のレントゲンを撮りなおしても、骨の形に変化はありません。

 

でも、できなかった動作が出来るようになったりと、カラダの機能が改善した方がいます。また、痛みが改善した方もいます。

 

当時は、その方に納得のいく説明はできていませんでした。

 

 

変形しているから痛い」という言葉は非常に便利です。

 

確かに変形していることで、カラダの機能は低下します。
そして、機能が低下したことで、カラダに負担がかかり続けた結果痛みとして症状が出ます。

 

でもその痛み、何が痛いのでしょうか?

 

骨でしょうか?

靭帯でしょうか?

筋肉・筋膜でしょうか?

その他でしょうか?

 

 

そしてその痛み、カラダのどの機能が低下したことで起こったのでしょうか?

 

骨の変形でしょうか?

靭帯へのストレスでしょうか?

筋力の低下でしょうか?

その他でしょうか?

 

 

この答えは「人それぞれ」です。

カラダの機能が低下したことで負担がかかり、その結果…

 

骨が痛い場合は、体重を乗せただけで激痛を伴うことが多いです。

 

半月板が痛い場合は、特定の動きで痛みが出て、それ以上カラダを動かすことが出来なくなることが多いです。

 

靭帯が痛い場合は、靭帯に大きなストレスが加わると、不快で外れるような痛みを伴うことが多いです。

 

筋肉が痛い場合は、関節ではなくその筋肉を押したり、ストレッチをしたりすると痛みがでることが多いです。

 

脂肪が痛い場合は、痛い部位に刺激を入れると、鋭い痛みを伴うことが多いです。

 

関節包や滑液包が痛い場合は、痛みと腫れを伴うことが多いです。

 

他にも皮膚が痛い場合筋膜が痛い場合など痛みが起こる部位は、人によって違います。

 

つまりカラダの機能が低下したことで、「何が痛いのか」を鑑別する必要があるのです。

 

この鑑別ができると、アプローチ方法が決まります

 

私は、痛みを下記の図のように鑑別し、図のようにアプローチをするようにしています(医療の発展と共に、このアプローチ方法は変わってきます)。

 

 

変形性股関節症変形性膝関節症と診断された方のリハビリ経験から言えることは、変形をみつつも「何が痛いのか」を鑑別した対応が必要と言うことです。

 

痛みの鑑別を行うことで、「なんでそこが痛くなったのか?」という視点で姿勢や動作を観察していくと、カラダの機能をより深く診ることができると考えています。さらに、アプローチもより良い方法を模索することができると考えています。

 

このようにカラダの機能と痛みを関連付けた対応が非常に重要なのです。

予防も治療も気づきから。

 

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今回も最後までご覧いただきありがとうございました。