みなさん、こんにちは。
理学療法士の土屋元明です。
先日、ますだ治療院の益田尚先生と毎月開催している実技勉強会「湘南コンディショニングコーチズ(講演136)」を行いました。
今回のテーマは、多くのセラピストが苦手意識を持つ「歩行動作の観察とポイント」についてです。

なぜ「歩き方」を見るのは難しいのか?
歩行動作の分析が苦手な理由は、主に以下の3つに集約されます。
- どこを見ていいか分からない(観察方法が分からない)
- 病態と動作をどうリンクしてよいか分からない(知識として知らない)
- どう対応していいか分からない(アプローチ方法が分からない)
動作分析は決して簡単ではありません。しかし、「見るべきポイント(視点)」さえ知れば、誰でも確実に練習し、臨床で結果を出せるようになります。
今回の勉強会では、私の歩行観察の視点と、痛みをリンクさせる考え方を共有しました。
歩行観察の「3つのSTEP」
私が歩行を見る目的は、「正常な歩き方からのズレ」の粗探しをすることではありません。
最も重要視しているのは、「いかに効率よく、少ない力で体を遠くへ運べているか(振り子運動)」という一点です。
これを紐解くため、以下の3つのステップで観察を行います。

STEP 1:「一本の棒」のズレを見る(左右・前後のブレ)
まずは、体重の約70%を占める上半身(体幹)を「一本の棒」に見立てます。
足がついた瞬間、その棒が足の上にまっすぐ安定して乗っているかを観察します。
ここで「ズレ」が生じていると、歩行にブレーキがかかり、スムーズに前へ進むことができません。左右の足を比較し、どちらに大きなブレーキがかかっているかを見極めます。
STEP 2:身体がしっかり「高くなっているか」を見る(上下の動き)
人間が効率よく歩くためには、歩幅の途中で身体の重心が「最高点」までスッと持ち上がる必要があります。
この上下の動き(バウンス機構)がスムーズに行えているかを観察します。
例えば、1〜1.5mm程度のわずかな脚の長さの違いや、足のアーチの崩れ(扁平足など)があるだけで、この持ち上がる力が奪われ、前へ進むためのエネルギーロス(=疲労や痛み)に繋がってしまいます。
STEP 3:足の親指まで、綺麗に体重が抜けているか
最後のフェーズは、足の親指(母趾)の先端に向かって体重がスムーズに移動し、それに連動して身体が最も遠くへ運ばれているかを観察します。
STEP 1や2で問題があった足は、この最後の「前へ抜ける動き」が阻害されます。
この一連の流れを正面や後ろ(前額面)から捉える力こそが、臨床において最も重要になります。
あなたの痛みは「歩き方のロス」が原因かもしれません
当院「動きのこだわりテーション」では、このような緻密な歩行動線分析を用いて、患者様の無意識の「ブレーキ」や「エネルギーロス」を見つけ出します。
歩くたびに膝や股関節が痛む、足の裏が疲れるといった症状は、筋力不足よりも「効率よく歩けていないこと(構造のズレ)」が原因かもしれません。
長引く痛みや歩行時の不調でお悩みの方は、決して諦めず、ぜひ一度ご相談ください。
あなたに合った的確なアプローチ(徒手、テーピング、インソールパッド等)で、本来の滑らかな歩き方を取り戻すお手伝いをいたします。
