弱い刺激ほど痛みに効く
Q:なぜ、弱い刺激でケアをする方が痛みが改善するのか
A:痛みを感じる神経に負担をかけないから
ここ数年で、超音波(エコー)画像診断による治療が加速的に発展してきました。
この治療は簡単に言うと、「痛みを誘発している神経に注射をして痛みをとる」というものです。従来のレントゲンやMRI画像では分からなかった痛みの神経が、エコー画像で可視化することが出来るようになったのです。そこで分かったことは、神経は「痺れ」が主体の症状だと思われていたが、普段から感じる「痛み」にも関与していたということです。
ということは、もし辛い痛みの原因が「こうした神経や血管の問題」から来ているのであれば、ストレッチや指圧マッサージをしても目立った効果は得られないことになります。
むしろ、やわらかくつまんだり、さする程度の弱い刺激を与える方が血行は改善され、同時に神経やその周辺の組織の柔軟性が高まるため、痛みの改善につながりやすいのです。
これまで、マッサージやストレッチをしてケアをしてきたが「効果がイマイチ…」と感じている人ほど、トライしてほしいのがこの「弱い刺激のケア」です。
このケアを行って症状を改善させた後に、ストレッチやヨガ、ピラティスをしたりマッサージをしたりすることが大切と私は感じています。
ストレッチをしたらまた悪くなるのでは?と思うかもしれませんが、大丈夫です。
弱い刺激のケアで症状が改善されると、本来の体の柔軟性が引き出されます。
例えばその状態でストレッチをすると、不快な症状や痛みを感じていた部分に負担をかけずに全体が効率よくストレッチできますので、実はより効果的に体をケアすることができるのです。
実際に、下記の映像を御覧ください。
この方は、首が回らないほど可動性が低下し、痛みを強く訴えていました。「マッサージをしたり、ストレッチをしたのですが、効果がイマイチ…」と言っていました。
しかし、弱い刺激でケアをした後はご覧の通り、柔軟性が高まり、次回来院したときは10の症状が1〜2程度に変化をしていました。そして、残りの症状も場所を変えた弱い刺激のケアが効果的でした。
いかがでしたか?
弱い刺激のケアも大切であることがご理解いただけたと思います。
弱い刺激で柔軟性が高まったということは、痛みを自覚していた場所に負担がかからなくなったという証拠でもあります。
この状態でストレッチやマッサージ、ピラティスなどをすれば、痛みを自覚していた場所に負担をかけず、さらに効果的な体のケアをすることができるのです。
是非、痛い場所を弱い刺激でケアしてみて下さい。
痛みや姿勢、体の使い方でお困りごとがあれば、動きのこだわりテーションまでご相談下さい。