理学療法士土屋元明つちやげんめいの知っておきたいインソール選び
医学的視点から解説、 インソール(靴の中敷き)を買う前に 知っておくべきこと
インソールは足をサポートするだけでなく、足の働き(機能)を改善させることができます。このため怪我の予防や治療、パフォーマンスの向上など、幅広く使用されています。
整形外科医が怪我の予防や治療で、インソールを処方する場合、足や膝の痛みだけでなく、腰痛の改善のためにも処方されています。
変形性股関節症、大腿骨疲労骨折(予防用)、腰痛(予防用)…腸脛靭帯炎(ランナー膝)、鷲足炎、内反膝、外反膝、 膝蓋大腿関節痛、変形性膝関節症…シンスプリント、疲労骨折…偏平足、凹足、足底筋膜炎、モートン神経腫、アキレス腱炎、 種子骨障害、足関節捻挫、外反母趾、変形性足関節症…股関節・腰膝下腿(すね)足

整形外科医がインソールを処方する場合

4つの足の働き(機能)
足の働きをサポートするインソールですが、足には4つの働き(機能)があるのをご存知でしょうか。


①強力なテコ
地面の力を利用して移動する働き
「よーい…ドンッ!」で走る時、地面を強く蹴り、地面の反発力を利用して体を前に移動しています。この時、足は強力なテコの機能を発揮しています。

②柔軟性(可動性)
デコボコ道でも上手く移動する働き
デコボコした険しい山道でも、地面の形状に足を適応させて歩くことができます。この時、足は柔軟性の機能を発揮しています。

③バランス制御
転ばないための働き
例えば電車で立っている場合、不意に電車が揺れても転ばないように重心を安定させ、立っていることができます。この時、足はバランス制御の機能を発揮しています。

④クッション
身体の衝撃を吸収する働き
軽くジャンプした時、着地と同時に膝が曲がります。これは、からだの衝撃を吸収するためであり、足にも同じ働きがあります。

これら4つの働きを、私たちは無意識のうちに環境に応じて適切に働かせ生活をしています。しかし、病気やケガ、外反母趾や扁平足などによって、「痛み」や不快な症状が起こると、カラダは無意識に足をかばうようにして歩くため、結果として足の働きが阻害されてしまいます。

インソールには、4つの足の働きをサポートをして、足が適切に働く環境を整える効果があります。例えば、土踏まずのラインに沿って足をフィットさせるアーチサポートや内側アーチ、内側・外側ウェッジ、踵部挙上などたくさんの種類があります。

踵部挙上外側 ウェッジ内側 ウェッジ中足支えアーチサポート型内側アーチ

素材も柔らかいものから硬いものまで幅広く、インソールを購入する時は目的に合わせて、種類や素材を選択することが大切です。例えば、②柔軟性と④クッション能力をサポートさせたい場合、どういう形と素材が良いのか、専門家からアドバイスを聞くことをおすすめします。また、インソールは市販のものからオーダーメイドまで、値段も安価なものから高価なものまで幅広く存在します。

市販のインソールを購入する場合、どの働きをサポートしたいのかを考えて購入する必要があります。オーダーメイドインソールを作成するなら、自分の「カラダの特性」や「動きの特性」を教えてもらいながら作ると良いでしょう。

もし、ご自分の足についてもっと知りたい、
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足の特長に合わせた インソールの選び方
偏平足に必要なインソールとは
偏平足の方に必要なのは、強力なテコの機能を備えたインソールです。強力なテコの力をインソールでサポートしてもらうことで、自然と前にカラダが進む働きを高めてくれます。
偏平足は土踏まずが低下した状態で、足のアーチが潰れた状態です。このため、歩く時の力強さがなく「ペタペタ」と歩くのが特徴です。地面の力を上手く利用して歩けていない状態とも言えます。
インソールで土踏まずをサポートすれば、テコの力が高まり自然と体が前に進むようになります。もし、偏平足だと感じたら、内側の土踏まずを特にサポートしているインソールを試してみてください。
正常(土踏まずあり)扁平足(土踏まずなし)内側アーチが特に サポートされている
凹足に必要なインソールとは
凹足の方に必要なのは柔軟性(可動性)を高めるインソールです。凹足は偏平足と逆で、体重を踵・小指・親指の3点で受けるため、3点のどこかにタコができやすい特徴が挙げられます。
柔軟性(可動性)が乏しいからこそ、歩く時の体重移動(踵から親指への体重移動)をスムーズにさせるような、柔軟性をサポートするインソールが効果的と言われています。
特に体重が外に逃げないような外側ウェッジが含まれているインソールを、まずは試してください。また、アーチをサポートする部分が高すぎるインソールは、指に力が入りすぎたりしますので注意が必要と言われています。

片足立ちでふらつく方に必要なインソールとは
加齢に伴い足の感覚は低下するだけでなくバランス能力も低下します。「立ったまま重心をどれだけ前後に移動できるか」という実験によると、70歳を過ぎた辺りから急激に能力が低下するようです。
立ったまま重心を どれだけ前後に移動できるか ↓ 70歳を過ぎると 急激に移動範囲が低下橋詰 謙・他:立位保持能力の加齢変化. 日本老年医学会雑誌,23:85-91(1986)
「最近バランス能力が低下してきたかも…」という方には、バランス制御をサポートするインソールをおすすめします。まずは、足裏全体のアーチがサポートされているようなインソールを試してみてください。この時注意して欲しいことは、「硬くてしっかりしたものが良いとは限らない」ということです。
アーチ全体が特にサポートされている
足底筋膜炎のように足裏が痛い方に必要なインソールとは
足の裏が痛い方に必要なのはクッション性のあるインソールです。衝撃を吸収することで痛みの緩和につながります。衝撃吸収(クッション)をサポートするため、柔らかめの素材のインソールをお試しください。
足の指周りが痛い場合は、足の横アーチをサポートするインソールを試すのも良いかもしれませんが、当たっている感じが強いと思ったら逆効果になることがほとんどですのでご注意ください。

ご自身のカラダのコンディションや足の状態に合わせて「どの働きを特にサポートしたいのか」を考えてから、市販のインソールを選ぶと良いでしょう。
人の足は十人十色ですので一概にこれが良いとは言えませんが、自分に合った物を選択するには専門家からアドバイスを受けるのが近道です。オーダーメイドインソールは細かな調整ができるので、よりおすすめです。
もし、ご自分に合ったインソールについてもっと知りたい、
専門家のアドバイスが欲しいという方は、今すぐご連絡ください。

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失敗しないオーダーメイド・インソールの ポイントとは?
オーダーメイドでインソールを作成してもらう場合のポイントは1つ。「もしインソールが当たって痛いとか、別の所に負担がかかっていると感じたら、すぐ対応してくれますか?」と業者に聞くことです。
「インソールはそのうち慣れてくるから大丈夫です」というような、アフターフォローに無関心な回答をしてくる業者はあまりおすすめできません。
私がインソールを作る時も、「靴が当たって痛い」とか「腰が張って動けない」など言われることがあります。そんな時は必ず、その理由を追求し症状が改善するまでインソールを調整します。そうしないと痛みの改善が得られないどころか、別の所に負担を生む可能性が高いからです。
当院のインソールは姿勢や歩き方を細部までチェックした後に作成します。「こんなに細かくしっかり見てもらったのは初めてです」と、よく驚かれますが、一番驚かれるのは完成品を履いた時の「違い」を感じてくれた時です。
良いインソールは姿勢や動きの負担を減らすことでき「痛みの改善を図る」効果があります。しかし、足に合っていないインソールを履くと、負担を減らすどころか、かえって負担を増やすことになり、余計な痛みが出ることがあります。

もし、理学療法士によるオーダーメイド・インソールに
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当院のインソールについて
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